ネコちゃんのアレルギー

まだまだ寒い日が続いていますね。寒暖の差に注意してかわいいペットの体調をみてあげていただければと思います。

今回はネコちゃんのアレルギーについて、どのようなものがあるか簡単なお話です。

ネコ喘息

まさにヒトのぜんそくの様な持続的な咳が起こるものです。それが数か月~数年と続くものです。また時には呼吸が苦しそうといったものが症状であることもあります。

しかし、ネコちゃんの場合、フィラリア(ワンちゃんなら当たり前に予防する、蚊が媒介する寄生虫)の感染によっても同様の症状が出るので見極めは重要です。

アトピー・アレルギー性皮膚炎

ノミ、食べ物、そのほか環境中にあるものなど原因は様々です。ノミが原因の場合は特定・治療はしやすいですが、食べ物や環境中のものに対しては原因の特定はしづらいです。食べ物に対するアレルギーならばフードの変更など除去食療法で改善することもあります。

頭や首の痒みが比較的特徴的です。また、特殊な皮膚炎を起こすこともあります。

アレルギーによる下痢・嘔吐

他の胃腸炎などとの区別ができないところが問題です。診断するには多くの胃腸炎の除外診断をして、最終的には今までに食べたことのない食べ物を食べることで改善するかどうかもを見てみるしかありません。診断は、うまくできたとしてもいろいろ検査が必要になるのでとても時間や手間がかかります。

ワンちゃんもそうですが、でも、ネコちゃんの方がよりアレルギーが原因だと特定しづらい傾向があります。「なかなか治らない咳、皮膚炎、下痢・嘔吐」があったらもしかしたらアレルギー性のものということもあるので、検査が多くなり時間もかかる傾向がありますが、でもがんばってみると良いかもしれません。

ネコちゃんのフィラリア症

梅雨には入りましたが、今年は雨が少ないですね。これからの季節は皮膚病、外耳炎が多くなる時期です。体をかゆがったり、耳をかゆがったりしているときは早めに来院していただくと良いと思います。また、熱中症も注意が必要な時期になってきます。家でお留守番の時も室温の注意をしてあげてください。

今回はネコちゃんのフィラリア症のお話です。

フィラリア症とは?

ワンちゃんのオーナー様は当り前のように知っているものですが、ネコちゃんではまだまだ馴染みが少ないと思います。フィラリア(犬糸状虫)は蚊によって運ばれる寄生虫です。ワンちゃんの体に入ると、最終的には成長して心臓や肺動脈に住みつきます。

結果として、

①血液の流れが悪くなり様々な臓器の機能低下を起こしたり、

②フィラリアが血管に詰まってしまい突然死を起こします。

感染することによってどちらにしても命を落としてしまう問題へとつながります。

ネコちゃんでの症状は?

ワンちゃんと違い、ネコちゃんはフィラリアが体に入っても多くの場合はフィラリアは成長できません。動物としての種類が違うからです。しかし一部はネコちゃんの体でも生活を続けることがあります。

結果として、

①心臓や肺動脈へ移動し、フィラリアは血管の壁を傷つけていきます。ネコちゃんはワンちゃんより血管が細いため、血管により大きな障害を受けます。肺の血管が障害を受けるためぜんそくの様な強いセキが出ることがあります。

②フィラリアの成虫が肺動脈に住み着き、感染後2-3年してから、ネコちゃんが突然死することがまれにみられます。

ネコちゃんの問題点

ワンちゃんのように検査でフィラリアの寄生を正確に判断することができないため発見しづらいです。また、他の病気の可能性も疑わなくてはならないので病気の診断にも時間がかかります。よって、治療するとしてもそこまでに時間がかかってしまう可能性があるということです。

しかしワンちゃんと同様に、フィラリアの予防法に関しては確立したものがあります。ですから、「予防をしっかりしていくことが、唯一ネコちゃんをフィラリアから守る方法」となるわけです。今年も少しずつではありますがネコちゃんでフィラリアを予防してくれるオーナー様が増えてきています。引き続きネコちゃんのフィラリア症の予防が広まっていくと幸いです。

11月に入って

昼夜の気温差が大きい季節です。特に、エキゾチックペットの子たちは、この温度差が大きなストレスになることが多いです。体調を崩す大きな原因になりますので、早めにヒーターの設置を心がけてください。

このところ、「膀胱炎・尿路結石」のネコちゃんの来院が非常に多くなっております。去年と比べても異常に多いです。特に男の子はおしっこが完全に出せなくなることがあります。こうなると急性腎不全を起こして命を落としてしまうこともありますので注意が必要です。

家で見られる症状

・トイレに何回も入る、リキむ

・トイレ以外でもおしっこをしてしまう

・血尿がでる

・吐く

元々典型的には、冬(寒い時期)に多い「膀胱炎・尿路結石」ですが、近年は夏などでもエアコンで涼しいために発生しやすくなっています。

しかし、今年ほど寒くなることと合わせて診察が増えるのは久しぶりな感じがします。なので、特に今年の冬は「膀胱炎・尿路結石」に注意していただくと良さそうです。気になる症状がある場合はとりあえずおしっこ検査をしてみることをお勧めします。

ネコちゃんのフィラリア症

台風も続きましたが、一気に季節も進んで秋になりましたね。

涼しくなりましたが、まだ「」が飛ぶ時期ですので、フィラリアの予防は怠らないようにしてください。

フィラリア症」と言えばワンちゃんの病気のイメージが強いと思いますが、「ネコちゃんにも感染する」病気です。ネコちゃんのオーナー様の中にはフィラリア症という言葉すらご存じない方も少なくないと思います。

フィラリア症とは

」によって運ばれる寄生虫によって起こる病気です。

ネコちゃんでフィラリア症が注目されない理由は診断が難しいことによります。

蚊に吸血されるときにフィラリアの幼虫が皮膚から侵入しさまざまな症状を引き起こします。ネコちゃんの場合は「呼吸器症状(セキ)」が多く、一見ぜんそくのような症状に見えたりします。他には嘔吐や食欲不振といった原因を特定しづらい症状の場合もあります。さらに突然死」の大きな原因とも言われています。

予防方法

ワンちゃんは基本的に、5月から12月までの8ヵ月間、毎月1回、飲み薬やスポット製剤(背中にたらすお薬)で予防します。ネコちゃんも同様な方法で予防することができます。

まだまだネコちゃんのオーナー様にはフィラリア症の予防が浸透していません。しかし、当院でも少数ではありますが、予防しているオーナー様がいますし、予防される方が増えてきている様子がうかがえます。

今後もネコちゃんのフィラリア症の予防について、お勧めしていきたいと思いますが、疑問などがあれば当院へご相談していただければと思います。

 

ネコちゃんのカゼに注意

 ヒトもカゼをひきやすい季節ですが、ここ最近「ネコちゃんのカゼ」で来院される方が非常に多いです。「くしゃみ・鼻水・目やに」が一般的に良く見られる症状です。しかし、それがさらに悪化すると「鼻づまり・ノドの炎症・発熱」などにより、食欲もなくなり脱水も起こし点滴や入院が必要になることもあります。

 特にカゼをひきやすい、また、悪化させる条件は、「外に出る・多頭飼育・ワクチン未接種」です。外に出れば寒さやその他のストレスにさらされることが多くなりますし、多頭飼育では次々に感染して広まっていってしまいます。そしてそのほとんどの場合ワクチン未接種の子に多いです

 ワクチンは、カゼを起こすウイルスを予防するために大変有効です。例え室内飼育でも、ヒトの服や体についてウイルスが室内へ持ち込まれることもあります。ですので、カゼをひいてしまった子、カゼをひいてない子でもワクチン接種を考えてみていただければと思います。ヒトだってカゼをひけばつらいと思います。ネコちゃんは幸いにもワクチンでそれを予防してあげることができるのです。

ネコちゃんのカゼとワクチン

  急速に秋も深まってきました。寒く乾燥してきて、ヒトだけでなくネコちゃんもカゼの注意が必要な季節になってきました。そこで今回はネコちゃんのカゼのお話です。

主なカゼの原因は?

 ネコカリシウイルス、ネコヘルペスウイルス・・・これらのウイルスがまず初めに感染することによってカゼが始まります。

 ボルデテラ、クラミジアなど・・・・細菌です。カゼが始まった子に、さらにこれらが感染することによって(二次感染)症状が悪化します。

 

どのように感染してしまうのか?

目、鼻、唾液がくしゃみで飛ぶことによって・・・カゼのイメージとしては当たり前と思います。

毛、うんち、おしっこに触れることによって・・・「毛」はネコちゃんがいる環境ならどこにでもあります。ノラネコちゃんが歩けばあちこちに毛は落ちているということです。

ご家族の方の服や手などから・・・特にウイルスは長時間生きることができます。例えばオーナー様がノラネコちゃんの近くを歩いただけでも、ウイルスが飛んで来たり、「毛」がくっついたりすることがあります。そのまま家に帰れば家の中にいるネコちゃんにも感染してしまいます。

ストレスによって・・・感染しているネコちゃんは症状の有無に関わらず、ストレスがかかることで病原菌を体から放出し始めます。多頭飼育をしている場合は問題になってしまいます。

ワクチンは大切

 感染してしまう理由で注目しなくてはならないのは、「直接カゼのネコちゃんに触れなくても感染する可能性がある」ということです。つまり家の中で飼育していても感染しうるということになり、ワクチンは必要ということになります。

 残念ながらワクチンで100%感染を予防できるわけではありません(ヒトもインフルエンザワクチンを接種してもウイルスの型が合わずに感染してしまうことがあるのと同様です)。しかし、もし感染が起こってしまってもワクチンには「症状を軽減する効果」が期待できるので、接種しても決して損はないのです。

 日本でのネコちゃんのワクチン接種率は非常に低いと言われています(10%程度)。ワクチンを接種することで得られるメリットはとても大きいですので、ネコちゃんのためにワクチンを接種してあげることをお勧めします。

 

ネコちゃんのフィラリア症

 はじめにフィラリア症とは、蚊に刺されることで感染する寄生虫が原因になって起こる、心不全や呼吸困難が起こる病気です。最期は亡くなってしまうことが非常に多い恐ろしい病気です。ワンちゃんでは必ず毎年お薬を飲んで予防する病気です。逆にネコちゃんではほとんど予防がされることがない病気ですが、ネコちゃんでも命の危険にさらされることがある病気なのです。 

 ではなぜネコちゃんでは予防されないのでしょうか? それは「感染する確率の低さ」が大きな原因にあげられます。いわゆる地域猫でフィラリアに感染している確率は20%未満と言われています(100頭れば10頭くらい感染があるということ)。ネコちゃんはフィラリアの感染に対する耐性が強いということになります。よって、病院で勧められることも少ないですし、オーナー様も「フィラリア症って何?」となってしまうのです。しかし、一度感染が起こるとワンちゃんより重症になります。ここが大きな問題です。なので予防をしてあげることが理想的なのです。

症状

呼吸困難

嘔吐

 肺に強い炎症を起こすのがネコちゃんのフィラリア症の特徴です。ここから亡くなってしまうことも多くあります。ほかにもなんとなく元気がない、食欲が安定しない、体重が減るといった漠然とした症状の場合もありますが、ここからフィラリア症を特定することは難しいです。

検査・診断

 ネコちゃんのフィラリア症の場合ここが一番の問題です。ワンちゃんのように簡単な検査で確実に診断する方法がないからです。ワンちゃんであれば感染があるかないかを血液検査で短時間で行うことができます。しかし、ネコちゃんはそれだけでは判断ができないことも多くレントゲン、エコー、血液検査などを総合的に評価する必要があります。

予防

 フィラリア症は、発症すると大変なことになってしまうことが多いためワンちゃんではしっかり予防することで感染未然に防ぎます。ネコちゃんでも同様です。予防には、「飲み薬」か「スポット製剤(背中につけるタイプの薬)」があります。ネコちゃんは内服が苦手なことが多いのでスポットタイプのお薬が向いているかもしれませんね。

 感染する可能性が低いのでなかなか強くお勧めしづらいところもあるのですが、心配な場合はご相談していただければと思います。

寒くなってきました

12月に入り、寒さも徐々に増してきました。

 冬に多く見られる病気の一つにネコちゃんの膀胱炎があります。これから数ヶ月の寒い時期は特に注意が必要ですので、「トイレに行く回数が増えた」、「何も出ていないのにトイレで長く座っている」、「おしっこの色が赤っぽい」といった症状が見られたらすぐに来院するようにしてください。さらに症状が悪化すると吐いたり、ぐったりしたり、けいれんなども見られることもあり、特に男の子の場合は尿閉(おしっこがでなくなってしまう)を起こして命の危険にさらされることもあります。

 エキゾチックペットの子たちも寒さ対策が必要です。ハムスター、トリ、ハリネズミ、哺乳類以外の子たちは特に注意が必要です。また、ウサギやフェレットの子たちなどでも、老齢の子では体力も落ちてきているので特に注意してあげてください。

 今月末まで、ワンちゃん・ネコちゃんの健康診断血液検査のキャンペーン中ですので、是非この機会に検査をしてみてはいかがでしょうか?

仔ネコちゃんを飼ったら

最近、仔猫ちゃんを拾ったり里親になった方が多く来院され、何かしらの病気に感染してしまっていることがほとんどです。

1 風邪・・・拾った子に多く見られます。目やに、くしゃみ、鼻水が主なサインです。

2 消化管内の寄生虫・・・下痢をしていなくても感染していることがあります。回虫、コクシジウムが多い傾向にあり

             ます。

3 外部寄生虫・・・ノミの感染は非常に多くみられます。また、一見するとわからないのですが耳の中に寄生するダニ

          もいることがあります。

4 外耳炎・・・細菌やカビの一種の感染で耳の中が汚れている・炎症を起こしていることがあります。

5 ネコエイズウイルス、ネコ白血病ウイルス感染・・・とても健康に見えても感染している可能性があります。

                          年齢を重ねると健康に害を及ぼすウイルスです。血液検査で感

                          染を確認することができます。

 他に問題を抱えている子もいますが、早期に発見・治療をすれば治りもそれだけ早いものが多いです。もしも仔ネコちゃんを拾った・貰ったときは早めに来院していただければと思います。