9月に入っても暑さは続きますが、空気が秋へ近づいているのを感じられますね。今回は歯周病のお話です。
歯周病って?
おそらく、ある程度の年齢のワンちゃん・ネコちゃんを飼われている方であれば「口が臭いよ」、「歯茎が赤い」、「歯が汚い」ということを一度は思ったことがあるのではないかと思います。「うちの子は平気そう」と思われても唇をめくって見てみると、ほとんどの子で何らかの異常が見られると思います。「歯周病を持っているワンちゃんは全体の80%!!」というデータもあるそうです。
歯周病は細菌感染によって起こる病気です。歯肉のみではなく、歯自体、歯の根っこ(靭帯)、歯槽骨(歯の埋まっている骨)にまで病気が進行することがあります。
大型犬ほど歯周病になりにくく、小型犬の方がずっと多いです。日本は小型犬がとても多いのでさらに良く出会う病気なのでしょうね。
どうやって他の臓器に病気を起こすの?
ご飯を食べたり歯磨きをすると細菌が血管の中へ入ってしまうことがわかっています。通常はこれによって問題はおこらないのですが、何らかの理由で影響を受けてしまうことがあるそうです。また、細菌が入ることで全身へ炎症性物質が放出され心臓や血管にダメージを与えてしまうこともあるそうです。さらに細菌を倒そうとしていると、誤って自分の臓器を壊していくこともあるそうです。
しかし、 実はどのように他の臓器疾患に関わるのかは、科学的な証拠が見つかっていないのが現状です。
歯周病と関係がある疾患
・心臓・血管の疾患・・・心臓の組織が壊れたり、動脈硬化の原因になると言われています。
・生殖器の疾患・・・早産が増えたりすると言われています。
・糖尿病
・肝臓の病気・・・脂肪肝になったり、肝臓へ膿がたまってしまうことがあると言われています。
・呼吸器の疾患・・・気管炎や気管支炎を起こすことがあると言われています。
予防は?
歯ブラシを使って歯みがきをすることが最も効果的です。「歯と歯肉の隙間」をきれいにしなくてはならないので、指サック型のものや歯みがきシートはやはり歯ブラシには効果は劣ってしまいます。
フードも種類によっては①フードの形が歯をきれいにしやすいように工夫されているものや②ポリリン酸ナトリウムが含まれていて歯石が作られることを予防することができるものもあります。
お口の薬もあります。細菌の増殖を抑えたり、歯垢(歯石のもとになる)の付着を予防することができます。
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歯みがきは慣れていない子にとってはとても難しいことではありますが、チャレンジしてみてほしいです。おいしい味になっている歯磨き粉を合わせたりするとやりやすくなることが多いです。歯ブラシや歯磨き粉は病院にも用意してあります。
しかし、すでに歯周病がひどくなってしまっている場合は病院で治療が必要になりますので、予防も含め心配な場合はご相談していただければと思います。