はじめにフィラリア症とは、蚊に刺されることで感染する寄生虫が原因になって起こる、心不全や呼吸困難が起こる病気です。最期は亡くなってしまうことが非常に多い恐ろしい病気です。ワンちゃんでは必ず毎年お薬を飲んで予防する病気です。逆にネコちゃんではほとんど予防がされることがない病気ですが、ネコちゃんでも命の危険にさらされることがある病気なのです。
ではなぜネコちゃんでは予防されないのでしょうか? それは「感染する確率の低さ」が大きな原因にあげられます。いわゆる地域猫でフィラリアに感染している確率は20%未満と言われています(100頭れば10頭くらい感染があるということ)。ネコちゃんはフィラリアの感染に対する耐性が強いということになります。よって、病院で勧められることも少ないですし、オーナー様も「フィラリア症って何?」となってしまうのです。しかし、一度感染が起こるとワンちゃんより重症になります。ここが大きな問題です。なので予防をしてあげることが理想的なのです。
症状
咳
呼吸困難
嘔吐
肺に強い炎症を起こすのがネコちゃんのフィラリア症の特徴です。ここから亡くなってしまうことも多くあります。ほかにもなんとなく元気がない、食欲が安定しない、体重が減るといった漠然とした症状の場合もありますが、ここからフィラリア症を特定することは難しいです。
検査・診断
ネコちゃんのフィラリア症の場合ここが一番の問題です。ワンちゃんのように簡単な検査で確実に診断する方法がないからです。ワンちゃんであれば感染があるかないかを血液検査で短時間で行うことができます。しかし、ネコちゃんはそれだけでは判断ができないことも多くレントゲン、エコー、血液検査などを総合的に評価する必要があります。
予防
フィラリア症は、発症すると大変なことになってしまうことが多いためワンちゃんではしっかり予防することで感染未然に防ぎます。ネコちゃんでも同様です。予防には、「飲み薬」か「スポット製剤(背中につけるタイプの薬)」があります。ネコちゃんは内服が苦手なことが多いのでスポットタイプのお薬が向いているかもしれませんね。
感染する可能性が低いのでなかなか強くお勧めしづらいところもあるのですが、心配な場合はご相談していただければと思います。